「忘却曲線」「間隔反復」で検索すると、たくさんのアプリが出てきます。どれも「科学的なタイミングで復習を知らせる」と書いてありますが、仕組みは大きく 2 種類に分かれていて、どちらが合うかは覚える対象で決まります。ここを間違えると、アプリの良し悪しに関係なく続きません。
この記事は、忘却曲線にもとづく復習管理アプリ Ebbing の公式サイトが書いています。その前提を踏まえた上で、できるだけ中立に選び方を整理します。
2 つの型:単語帳型とスケジュール型
単語帳型(カード単位で復習する)
Anki や Quizlet に代表される型です。「表に問題、裏に答え」のカードを 1 枚ずつ作り、カードごとに次の復習日が決まります。
- 向いているもの: 英単語、医学用語、年号、条文番号など、1 問 1 答に分解できる知識
- 強み: カード単位で間隔が最適化されるので、覚えた語は自然に出てこなくなり、苦手な語だけが残る
- 弱み: カードを作る手間が大きい。問題集・参考書のように「章ごとに理解して解く」教材はカードにしにくい
スケジュール型(教材・範囲単位で復習日を置く)
「問題集の第 3 章」「テキストの 20〜35 ページ」のように、学んだ範囲をそのまま登録し、その範囲の復習日を忘却曲線に沿って自動で置く型です。Ebbing はこちらに入ります。
- 向いているもの: 資格試験の問題集、参考書、授業のノート、講義動画など、すでに教材がある学習
- 強み: 入力が「今日やった範囲」だけで済み、カードを作らない。複数の教材を並走させても「今日の復習」が一覧になる
- 弱み: 1 語単位の最適化はしない。英単語だけを極めたい人には単語帳型の方が細かい
カードに分解できる知識なら単語帳型。教材を章ごとに進める学習ならスケジュール型。
どちらも背後の理屈は同じです。「忘れかけた頃に、間隔を広げながら思い出す」(間隔反復の科学)。違いは、その単位がカード 1 枚か、教材の範囲かという点だけです。
選ぶときの 5 つの基準
1. 覚える対象は 1 問 1 答に分解できるか
最初に確認するのはこれです。英単語・用語暗記なら単語帳型、問題集を解く・テキストを理解する学習ならスケジュール型が自然です。両方ある人(資格試験で、用語暗記と過去問演習の両方がある等)は、併用しても構いません。
2. 入力の手間を続けられるか
復習アプリが続かない最大の理由は「登録が面倒になる」ことです。単語帳型はカード作成に時間がかかり、1 日 20 語なら 1 日 10〜15 分の作成時間が勉強時間とは別に要ります。スケジュール型は「今日やった範囲」を 1 行登録するだけですが、その代わり復習の中身(何を思い出すか)は自分で決めます。
どちらが良いかではなく、自分が 3ヶ月続けられる入力量はどちらかで選びます。
3. 「今日やること」が一つの画面に並ぶか
教材や科目が複数あるとき、「今日はどの教材の何を復習する日か」をアプリが一覧で出してくれるかどうかは決定的です。これが無いと、結局は頭で管理することになり、項目数が増えた時点で崩れます(大量の暗記項目を破綻させない復習管理)。
4. 通知は「今日の復習」を知らせてくれるか
復習は「忘れかけた頃」にやるから効きます。その日を逃すと、翌週には学び直しに近くなります。通知が「今日やる分がある」ことを知らせてくれるか、そして自分がその通知を無視しない時間帯に設定できるかを確認します。
5. 復習の間隔を変えられるか
標準の間隔(たとえば 1 日後・3 日後・1 週間後・2 週間後・1ヶ月後)は、多くの学習に合うように作られています。ただし試験日が近い場合は間隔を詰める方が合理的です(試験日から逆算する復習計画)。自分の目的に合わせて間隔を調整できるかを見ておきます。
紙の手帳やスプレッドシートではだめなのか
だめではありません。学習項目が少ないうちは、手帳に「この範囲の復習は○日」と書き込む運用で十分です。
ただし、項目が 30 を超えたあたりから破綻します。今日学んだ範囲 1 つにつき復習日が 5 つ発生するので、2 週間で 50〜70 件の予定を手で管理することになります。「復習日が来ているのに気づかない」「どこまで復習したか分からない」が起き始めたら、それがアプリに移す合図です。
Ebbing はどこに向いているか
公式サイトとして、Ebbing が合う人と合わない人を正直に書いておきます。
- 合う人: 資格試験・受験・社会人学習で、問題集や参考書を「章ごと・範囲ごと」に進めている人。複数の教材を並走させたい人。カードを作る時間を勉強に回したい人
- 合わない人: 英単語だけを 1 語単位で細かく回したい人(単語帳型の方が向きます)。Android を使っている人(iOS 専用です)
学んだ範囲を登録すると、忘却曲線にもとづいて復習日(1 日後・3 日後・7 日後・14 日後・30 日後)が自動で置かれ、今日の分だけがホームに並びます。無料で始められるので、問題集 1 冊から試してみてください。
まとめ
- 復習アプリは単語帳型(カード単位)とスケジュール型(教材・範囲単位)に分かれる
- 1 問 1 答に分解できる知識は単語帳型、教材を進める学習はスケジュール型。併用もできる
- 選ぶ基準は、入力の手間を続けられるか・今日やることが一覧になるか・通知・間隔の調整
- 手帳やスプレッドシートは項目 30 件あたりで破綻する。そこがアプリに移す合図
- Ebbing は問題集・参考書を範囲ごとに進める学習向け。1 語単位の暗記には単語帳型を